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フリーランスのグラフィックデザイナーになるメリットとデメリットまとめ | グラフィックデザイナーの教科書
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フリーランスのグラフィックデザイナーになるメリットとデメリットまとめ

はじめに

グラフィックデザイナーは、IllustratorやPhotoshopなどのデザインに必要なソフトさえあれば、PC1台で仕事が成り立ちます。

このため、グラフィックデザイナーは独立までの敷居が低く、フリーランスとしてイメージしやすい職業です。

だから、ある程度会社員で経験を積んだグラフィックデザイナーは、必ず独立してフリーランスになったほうが良いのか?

と言われれば、そうとも言い切れません。

他の職種同様、フリーランスのグラフィックデザイナーにもメリットとデメリットがあります。

グラフィックデザイナーがフリーランスになるメリットとデメリットについて、まとめたいと思います。

グラフィックデザイナーがフリーランスになる5つのメリット

最初に、グラフィックデザイナーがフリーランスになるメリットについて書きたいと思います。

会社員としてグラフィックデザイナーをやっている方であれば、必ず1度か2度は考えること。

たしかに、グラフィックデザイナーがフリーランスとしてやっていくことは、何点か大きなメリットがあります。

フリーランスのグラフィックデザイナーは年収が青天井

当然ですが、フリーランスのグラフィックデザイナーは会社員と比べて年収が青天井になります。

単価の高い仕事を多く請ければ請けるほど、年収はそれだけ高いものになります。

場合によっては、年収1,000万円の高収入グラフィックデザイナーになることも可能です。

給料がなかなか上がらない、もしくは業績の悪化で給料がガタ落ちになった会社員のグラフィックデザイナー。

このような方であれば、独立してフリーランスになることを考えるのは、1度や2度ではないでしょう。

「この仕事、フリーランスで直接受注すれば、まるまる自分の収入になるのになあ」

そんなことを考えたこともあるでしょう。

もちろん、フリーランスとなれば、起業当初は収入が安定しないこともあると思います。

しかし、クライアントの利益にしっかり貢献し、実績を重ねていけば、単価の高い仕事を請けることが可能です。

もし、クライアントの利益に直結するような実績が多い人は、フリーランスに挑戦してみると良いでしょう。

フリーランスのグラフィックデザイナーは仕事内容や労働時間を調整できる

これも、勤務時間が決まって仕事量も選べない会社員に比べると、フリーランスのほうが労働時間をコントロールしやすいです。

しかもフリーランスであれば、自分のやりたい仕事だけ選ぶことができます。

ちょっとこれ以上キャパオーバー、家庭の事情が重なれば仕事をセーブできるし、余裕があれば引き受けることができます。

自分の裁量で仕事内容や時間を決められるというのは、フリーランスの大きなメリットになります。

なので、残業時間が多く、しかも薄給で自分のやりたい案件が他にある場合は、独立を検討してみても良いかもしれません。

しかし、独立後、仕事を選ぶこと、仕事を断る勇気がないと、なかなか労働時間をコントロールするのは難しいかもしれません。

これまで、全然休みがないグラフィックデザイナーも、多く見てきました。

安い案件ややりたくない案件でも、仕事を引き受けすぎて、365日営業…なんてことがないように気をつけましょう。

フリーランスのグラフィックデザイナーは人間関係の悩みがなくなる

人間の悩みの85%は人間関係と言われるように、人間関係の悩みは尽きることがありません。

特に会社員だと、職場の鬱屈した人間関係に悩まされることも出てきます。上司と部下のしがらみは、会社員ならではの悩みでしょう。

一方で、フリーランスともなれば、当然上司や部下というしがらみはなくなります。

仕事で付き合う相手を自分で選ぶことが可能になります。

付き合う人を選べる、嫌いな人と付き合わなくて良いというのはフリーランスの大きな醍醐味かもしれません。

また、会社の方針に押し付けられることもなくなるので、フリーランスのほうがかえって仕事がやりやすくなります。

なんといっても、本能的に会社員に向いている人と向いていない人というのがいます。

あなたは、学生時代の部活は何でしたか?

もし、陸上競技などの個人競技であればフリーランスのグラフィックデザイナーの方が向いているかもしれません。

一方でバスケやバレーとかであれば、会社員のほうが向いているかもしれません。

フリーランスで自分で動き回るほうが好きなのか、会社員のほうが向いているのか。

フリーランスに向いている人は、会社に属することが限りなく苦痛なはずです。

束縛が嫌いな人は、ある程度リスクを背負ってでも、フリーランスのグラフィックデザイナーを目指したほうが良いでしょう。

ただし、フリーランスともなれば、すべて自己責任になりますから、そのことを踏まえて独立を検討しましょう。

フリーランスのグラフィックデザイナーは経費で節税できる

会社員であれば、基本的に税金をコントロールすることができません。問答無用で天引きされてしまいます。

一方で、フリーランスであれば、経費で節税することが可能です。

例えばグラフィックデザイナーであれば、IllustratorやPhotoshopなどのグラフィックソフトやデジタルカメラも経費です。

出張旅費や研修費、仕事に関する書籍も全部経費になります。

自宅兼事務所であれば、家賃や光熱費を経費にすることも可能です。

もし、自宅と別に事務所を構えていれば、家賃や光熱費を全額経費にすることが可能です。

飲食なども経費にできます。高級なステーキや寿司を食べても、たらふく飲み食いしても交際費として処理できます。

しかし、会社員の場合は仕事で必要なグラフィックソフトや出張旅費、研修費用に関しては会社で出してくれることもあるでしょう。

よって、経費で節税できることが、必ずしもフリーランスのグラフィックデザイナーにとってメリットになるかは言い切れません。

フリーランスのグラフィックデザイナーは副業ができる

昔ほどでないにしろ、副業を厳しく規制する会社があります。

場合によっては、副業を全然認めない会社もあるでしょう。

しかし、フリーランスのグラフィックデザイナーであれば副業が可能です。

というより、本業とか副業という枠がないのがフローランスの醍醐味です。

むしろ、複数の収入源がないフリーランスは危険と言って良いでしょう。

また、フリーランスであればグラフィックデザイナーのスキルから派生したビジネスが可能になります。

グラフィックデザイナーは、クライアントのマーケティングに関わることも可能な仕事です。

ここで自分自身のビジネスのポジションニングを変え、グラフィックデザインもできるコンサルタントとして活躍することも可能です。

フリーランスのグラフィックデザイナーの5つのデメリット

フリーランスのグラフィックデザイナーは、もちろんおいしい話だけではありません。

会社員ならではのメリットは、そのままフリーランスのデメリットにもなります。

以下、フリーランスのグラフィックデザイナーのデメリットについてお伝えしたいと思います。

フリーランスのグラフィックデザイナーは収入が安定しない

フリーランスのグラフィックデザイナーの収入は、たしかに青天井です。

しかし、上を見たら上限がない一方で、下を見ても下限がありません。

実際に、年収200万円を切っているグラフィックデザイナーも多いと聞きます。

会社員みたいな固定の収入は存在しなくなります。最悪、今月の収入がゼロなんてこともあり得ます。

特に起業直後は、会社員時代に貯めておいた貯金を切り崩すことも必要になるかもしれません。なるべく避けたいところですが…。

あまりに会社の人間関係が辛くて、残業時間も多くて薄給であれば、もちろん会社から逃げ出すべきと思います。

また、グラフィックデザイナー業界では、会社がいつまでも安泰というわけにもいかないと思います。

それだけに、独立を視野に入れた場合は、早めの準備をしておきたいところ。

給料の何割かを貯金して、一部を資産運用して堅実にお金を貯めていくことも必要です。

また会社員のうちにスキルを高めておき、さらに会社以外の人脈も確立していくことが必要です。

「お金もない、人脈もない、そんな私でもたった○ヶ月で月収○○万円になった」

なんていうキャッチコピーをよく見ますが、できれば、お金も人脈もない状態で独立するのは避けたいところです。

フリーランスのグラフィックデザイナーは自分で営業しないといけない

会社員であれば、営業担当の人など、誰かが勝手に仕事を取ってきてくれるということもあるでしょう。

だから会社員のグラフィックデザイナーは、それこそデザインにだけ集中していればよかったかもしれません。

しかし、フリーランスのグラフィックデザイナーとなれば、そういうわけにはいきません。

営業、交渉、見積もり、制作、経理まで全部自分でやらないといけません。

特に起業当初のグラフィックデザイナーが、最初に壁にぶつかるのが営業ではないかと思います。

最初は知り合いを通じて依頼があれば、そこから引き受けてデザインの仕事を始めても良いかもしれません。

しかし、そのパターンだと「お友達価格で」ということも多く、結局安く買い叩かれることに。

制作会社や広告代理店も、奴隷的な下請け感覚で安く発注してくる人がわんさかいます。

営業というと、集客にばかり目がいきがちですが、売上は「集客×受注単価×リピート」で決まります。

単価が安い、1回きりの案件であれば、いくら働いても収入は増えません。

営業するにしても、実績を上げながら徐々に質の高いクライアントを獲得していくようにしましょう。

JVなどで質の良いクライアントを繋げてもらっても良いでしょう。

質の高いクライアントを獲得することが、高収入フリーランスグラフィックデザイナーへの近道です。

フリーランスのグラフィックデザイナーは確定申告が必要

メリットのところで、経費を節税できると書きましたが、これはフリーランスのグラフィックデザイナーは確定申告が必要ということです。

忙しいフリーランスのグラフィックデザイナーにとって、確定申告は本当にめんどくさい作業です。

エストニアみたいに、日本がクラウドコンピューティングシステムで勝手に課税処理してくれる国だったら、どれだけ良いか。

※ただし、エストニアみたいになると、政府が国民の全預金残高を把握できるという恐ろしい一面が出てきますが…

最近はMFクラウドやfreeeなど、クラウドサービスが台頭し、確定申告は楽な作業になってきています。

それでも、毎回領収書を発行してもらい、仕分けして課税処理するというのは、かなり憂鬱な作業。

毎年1~3月は、フリーランスにとっては憂鬱な時期です。

フリーランスのグラフィックデザイナーは仕事が忙しい

メリットのところで書いた「仕事内容や労働時間をコントロールしやすい」に矛盾しているようですね。

しかし、実際にフリーランスのグラフィックデザイナーの仕事は忙しいものです。

これは、フリーランスになることで、営業から見積もり、経理まで自分でやることが格段と増えるためです。

また、フリーランスになることで、仕事がなくなる不安から、なんでもかんでも仕事を引き受けてしまうこともあり得ます。

しかし病気になったら、社会保険もありませんし、収入がピタリと止まってしまいます。(成功報酬の案件を多く引き受けていれば話は別ですが)

それだけに、フリーランスのグラフィックデザイナーにとって、心身の健康は絶対条件になってきます。

忙しすぎて体を壊してしまっては、元も子もありません。

フリーランスのグラフィックデザイナーは土日の休みがない

加えて、フリーランスのグラフィックデザイナーは会社員と違って土日とか祝日とか、そういうはっきりした休みがありません。

土日出勤&平日残業当たり前のブラック企業と比べれば、人間関係のストレスがないフリーランスのほうが、まだ幾分か楽かもしれません。

しかし、自分で休みを決めたりしないと、土日関係なく夜遅くまで仕事という、セルフブラック企業状態になります。

なかには、GWや年末年始も仕事詰めというフリーランスのグラフィックデザイナーも多いのではないでしょうか。

しかし、本来、フリーランスの立場なら、仕事内容や労働時間をコントロールしやすいものです。

つまり、仕事を選ぶ権利もあれば、労働時間も自分で決めることができます。束縛するものは何もないのです。

もちろん、休みを増やすには、長く付き合えるクライアントから単価の高い案件だけを引き受けられるまでレベルアップする必要があります。

しかし、安い案件ばかり引き受けてばかりでは、忙しいだけで収入も上がらず、必ず疲弊します。

仕事内容や時間をコントロールできる、というフリーランスならではの特権を活かせるようにしていきましょう。

まとめ

以上、フリーランスのグラフィックデザイナーのメリットとデメリットでした。

【メリット】
・年収が青天井
・仕事内容や時間をコントロールしやすい
・人間関係のストレスがなくなる
・節税が可能
・他のビジネスをすることが可能

【デメリット】
・収入が安定しづらい
・営業も自分でやらないといけない
・確定申告をしないといけない
・忙しい
・土日のような決まった休みがない

独立までの敷居が低いグラフィックデザイナーでも、いきなり独立するのは危険で、お金や人脈の点で十分な準備が必要です。

しかし、フリーランスは、付き合う人を自分で選べる、閉鎖的な人間関係に悩まなくて良くなります。

これは非常に大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

実際に会社員にまったく向いていない人もいます。

こういう方はフリーランスになった途端に大きく力を発揮したりします。

なので、会社で窮屈な思いをしている人は、思い切って独立を視野に行動したほうが、幸せな選択ができると思います。

自分は会社員に向いているか、フリーランスに向いているか。これを見極めて将来の方向性を決めていきましょう。

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石井裕 セールスコピーライター

原子力技術者として企業に13年勤めた後、幼少期からの夢であるライターに転身。士業、コンサル、セラピストなどのプロモーションやオウンドメディアを多く手がける。県境好きな顔を持ち、「県境マニア」を出版。メディア出演も多数。
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