はじめに
グラフィックデザイナーに仕事を依頼するなら、できれば最高の仕事をしてほしいもの。
でも、最高の仕事をしてくれるすごいグラフィックデザイナーとはどういう人でしょうか?
才能やセンスがあるグラフィックデザイナーか、それとも努力型のグラフィックデザイナーか?
残念ながら両方とも違います。これだけでは、おそらく最高の仕事はしてくれないでしょう。
今回は、理想の仕事をしてくれるグラフィックデザイナーを見抜く5つのポイントについてお伝えしたいと思います。
「グラフィックデザイナー」と名乗っていない
チラシやリーフレットのデザインを依頼するのであれば、グラフィックデザイナーを探すのは当たり前のことです。
しかし出会ったグラフィックデザイナーが、もし名刺交換などで「グラフィックデザイナーの◯◯です」と言ってきたら、要注意です。
安価で引き受けているグラフィックデザイナーを探すなら話は別ですが、最高の仕事をしてくれるかどうかはかなり微妙と言えます。
「グラフィックデザイナーがグラフィックデザイナーと名乗って何が悪いの?」
と思うかもしれません。
あなたは、グラフィックデザイナーに何をしてほしいのでしょうか?
ただチラシやパンフレットのデザインを依頼しているかと言われれば、そうではないでしょう。
商品やサービスが売れるためのデザインをしてほしいのではないでしょうか?
当たり前の話ですが、この視点が抜けているグラフィックデザイナーはとても多いのです。
それもそのはずです。デザイナーの専門学校では、「売れるデザイン」をするために必要なことを、ほぼ教えないからです。
あとで詳しく話しますが、この売れるデザインを実現するためには、ただ単にアーティスティックなデザインをすれば良いわけではありません。
もっと別の要素が必要だったりします。
ですから、ただ単に「グラフィックデザイナー」と名乗っているデザイナーが売れるデザインをしてくれるかと言われれば、かなり微妙です。
売れるデザインをするための知識や経験があるかと言われれば、かなり怪しいからです。
クライアントにしっかりヒアリングするグラフィックデザイナー
リアリティのある小説ほど取材を綿密に行っているように、クリエイターにとって、取材(ヒアリング)はとても大切なことです。
というのも、何か広告を制作するには、商品・サービスのことを知らなければいけないからです。
以下、ヒアリングなどで制作者が知らないといけないことを列挙しますが、これでもまだほんの一部です。
どんな商品、サービスなのか?
ターゲット層は?(性別、年齢、職業、考え方、価値観など)
チラシやパンフレットをどこに配布していくのか?
ターゲットが商品、サービスで解決したいことは?どんな未来を手にしたいのか?
ターゲットの欲求や感情
これらを知らない限り、本来はどんなデザインをしたら良いか、どんなサイズか、発行部数などが判断できないはずです。
しかし、しっかりとクライアントにヒアリングの時間を取っているグラフィックデザイナーはほんの一握りと言えます。
ヒアリングしているとしても、的外れなことを聞いていたり、深掘りができていないグラフィックデザイナーはたくさんいます。
ひどい場合は、ヒアリングもせずに穴埋め式のテンプレートを渡して、「ここを埋めてください」とだけ言うグラフィックデザイナーも。
このようなグラフィックデザイナーが最高にすごい仕事をしてくれるかどうか、かなり力量は怪しいです。
しっかりとヒアリングの時間を設けているかどうか。
これは理想の仕事をしてくれるグラフィックデザイナーかどうかを見分ける、とても重要なポイントです。
商品・サービスの魅力を整理してくれるグラフィックデザイナー
ただ、ヒアリングをするグラフィックデザイナーが全員腕が良いグラフィックデザイナーかどうかと言われれば、そんなことはありません。
先程も言ったように、ヒアリングをしても核心を突いていないグラフィックデザイナーは大変多いです。
そもそも、ヒアリングで確認すべきことを把握しているグラフィックデザイナーはほとんどいません。
商品・サービスの魅力を最大限に引き出せなければ、ターゲットに刺さるデザインもできなければ、言葉も浮かんできません。
それでは売れるデザインを行うことなど、到底不可能です。
それでは、しっかりと核心を突いたグラフィックデザイナーとは、どんな人でしょうか。
それを見分けるポイントが、
「自分の商品・サービスの魅力を頭の中で整理できたかどうか」です。
これは大変重要なポイントです。
クライアントに、自分の商品・サービスの魅力を気づかせてくれるグラフィックデザイナーであれば、最高の仕事をする可能性が大きいです。
「商品やサービスの魅力はクライアント以上に知っている」と言い切れるグラフィックデザイナーがいれば最高でしょう。
自分のことは案外わからないものです。
それを引き出してくれるグラフィックデザイナーは、きっと売れるデザインを制作してくれるでしょう。
コミュニケーション能力のあるグラフィックデザイナー
ヒアリングに応じるのであれば、クライアントは気持ちよく話をしたいところ。
気持ちよく話していくうちに、自分の商品に対する思いも膨らみ、いつの間にか商品・サービスの魅力に気付かされることも多いです。
そのためには、グラフィックデザイナーにはコミュニケーション能力が要求されると言って良いでしょう。
ただ、グラフィックデザイナーというと、オフィスに籠もって黙々とPCに向かっているイメージが強いです。
グラフィックデザイナーに限らず、デザイン業界、そこまでコミュニケーション能力が高い人は多くありません。
しかし、このコミュニケーション能力は、最高の仕事をしてくれるうえでは、非常に重要な判断基準になります。
コミュニケーション能力とは、ただ一方的に楽しい話をする人ではありません。
傾聴など、相手の話を聞くことができることです。(ヒアリングは傾聴力だけではだめですが)
どんなにデザインの知識が優れていても、マーケティングの知識があったとしても、コミュニケーション能力がないと、それを活かせません。
コミュニケーション能力に欠けたグラフィックデザイナーの前では、クライアントも何を話したら良いかわかりません。
結果的に商品やサービスの魅力を引き出すことができず、いまいちなデザインになってしまった…なんてことになりかねません。
また、着手と納品時だけ連絡するグラフィックデザイナーだけでなく、進捗経過も報告し、まめにコミュニケーションを取る人のほうが良い仕事をします。
どの業界でも同じことが言えると思いますが、グラフィックデザイナーにとってもコミュニケーション能力は必須です。
景品表示法などの広告規制を把握しているグラフィックデザイナー
今まで、すごい仕事をしてくれるグラフィックデザイナーとは、ヒアリングで商品・サービスの魅力を引き出してくれる人という話をしました。
これだけでも十分良い仕事をしてくれるグラフィックデザイナーと言えるのですが、最近ではこれだけでは不十分かもしれません。
というのも昨今、広告規制が年々厳しさを増しているからです。
商品・サービスの魅力を伝えようとして、景品表示法に触れるような表現をしてはいけません。
莫大な課徴金を請求される可能性がありますし、せっかくの広告が使えなくなることも考えられます。
化粧品やサプリメントであれば薬機法や健康増進法の知識も必須となります。これらはかなり制約が厳しいです。
歯科治療などの医療系であれば、医療広告ガイドライン(医療法)を遵守しなければいけません。
整体院や整骨院、エステサロンも広告規制が厳しくなっている傾向にあります。
広告規制に関わる法律を知らず、法的に可能な表現のチェックができないことは、かなり恐ろしいことです。
良かれと思って表現したことで指摘されれば、何も言い訳ができません。
このような広告規制に関して危機感を抱き、近年の法改正を把握しているグラフィックデザイナーは、かなり有力と言えるでしょう。
商品・サービスの魅力を引き出し、広告規制も把握しているグラフィックデザイナーがいたら、最高にすごい仕事をしてくれるでしょう。
まとめ
以上、最高に良い仕事をしてくれるすごいグラフィックデザイナーを見抜く5つのポイントについてお伝えしました。
ただ単に「グラフィックデザイナー」と名乗っていない
しっかりとヒアリングに応じてくれる
商品・サービスの魅力を整理してくれる
コミュニケーション能力がある
景品表示法などの広告規制を意識している
残念ながら、センスと努力でアーティスティックなデザインだけでは、なかなか良い仕事をしてくれません。
大切なのは、売れるデザインをしてくれることです。それでいて広告規制のチェックもしてくれるなら最高です。
一般的なイメージのグラフィックデザイナーとは少しイメージが違うかもしれません。
しかし、これは非常に重要なポイントです。
グラフィックデザイナーを探す場合は、この5つのポイントをしっかり意識するようにすると、最高の仕事をする人が見つかると思います。