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フリーランスのグラフィックデザイナーが必ず知っておくべき契約書作成4つの重要なポイント | グラフィックデザイナーの教科書
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フリーランスのグラフィックデザイナーが必ず知っておくべき契約書作成4つの重要なポイント

はじめに

  • 制作料金を払ってもらえなかった…
  • 何度も繰り返し修正を要求され、心身ともに疲弊した…
  • 制作スケジュールが大幅に遅延し、他の案件を受ける余裕が持てなかった…

あなたはこんな経験をしたことはありますか?
[br num=”1″] 実はグラフィックデザイナーやコピーライターなど、フリーランスの世界ではこれらの問題がしばしば発生しています。専門領域、クライアントや案件内容が違うにもかかわらず、です。
[br num=”1″] 何故、これらの問題が発生してしまうのでしょうか?
[br num=”1″] それは業務内容や報酬の支払などの詳細を明文化せず、口約束しただけで案件を開始してしまったからです。やり取りの記録が残らない口約束ではなく、契約書という書面を残しておけば、未然に防げるはずのトラブルがほとんどなのです。
[br num=”1″] ただし、単純に契約書を作れば良いという訳でもありません。
ポイントを抑えた契約書を作る必要があります。
[br num=”1″] そこで今回は『フリーランスのグラフィックデザイナーを守る契約書作成のポイント』というテーマでお伝えします。
[br num=”1″] 過去に痛い目を見た方はもちろんのこと、グラフィックデザイナーとして活動中/今後、活動していきたいという方はぜひお読みください。

【ポイント1】業務内容

業務内容と成果物

今回の契約の対象となる業務内容と成果物を契約書に明記します。

[br num=”1″] 例えば、Webサイト制作の場合、HTMLファイルを納品すれば業務完了となるのか、あるいはデザインデータや更新マニュアルも納品対象となるのかなど、契約書上の記載により、対応すべき事項が変わってきます。なお、業務内容の詳細は契約書に盛り込まず、別紙(例:仕様書)に記載することが通例となっています。
[br num=”1″] 業務内容や成果物が明文化されていない場合、クライアントからの突発的な依頼を断ることができず、当初の想定の数倍働いたのに報酬は変わらず、というような悲惨な事態に陥る可能性があります。
[br num=”1″] あらかじめ業務内容をはっきりさせておき、本来の業務に集中できる環境を作りましょう。

期間・スケジュール

上記の業務内容の実施期間を明記します。
[br num=”1″] 
詳細なスケジュールは契約書に盛り込まず、別紙とすることがほとんどですが、納品予定日を遵守するための条件(例:クライアントレビューが◯日までに完了していること)などを契約書に記載しておくことで余計なトラブルを防ぐことができます。

修正対応方針・完了基準

制作物をクライアントに提出した際、1回でOKとなることは稀でほとんどの場合、修正対応を求められます。
[br num=”1″] クライアントに納得いただけるまで修正対応に付き合ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、「無償対応は◯回まで、その後は追加料金を請求」、「過去に合意したデザイン案の修正が発生した場合、製作期間を見直しの上、追加料金を請求」するなど、修正対応の方針をあらかじめ契約に定めておきましょう。
[br num=”1″] このように契約に基準を定めておくことで制作開始後のやり取りの負担を削減することができますし、クライアントからの無意味な修正依頼も発生しづらくなります。

[br num=”1″] また、クライアント側の事情で納品した制作物の確認が後回しになり、いつまで経っても修正指示や確認完了の連絡が来ないという事態になる可能性もあります。
[br num=”1″] このような事態を避けるため、「納品後、5日以内に連絡がない時は承認されたとみなす」など、契約段階で約束しておくことでスムーズに完了手続きを進めることができます。なお、納品後の修正に関しても方針を定めておくことが無難です。

【ポイント2】料金や報酬の支払

報酬金額


報酬金額だけではなく、支払方法(例:口座振込)、支払サイト(例:月末締翌月末支払)などを具体的に明記します。
[br num=”1″] また、報酬を請求する際の条件(例:検収完了)もあらかじめクライアントと合意しておきましょう。
なお、契約書に金額情報を記載する際は税金の取り扱い(税込・税別)も必ず明記するようにしましょう。
[br num=”1″]

着手金


制作を開始する前に報酬の一部を着手金として受け取ることができます。
ご存知の通り、グラフィックデザイナーの仕事はデザインやコーディングなどの制作作業だけではなく、その前段階としてクライアントと打ち合わせ、制作物の提案などが発生します。
[br num=”1″] その間、時間やお金などを投下している訳ですから、正当な権利としてクライアントに相談してしましょう。

着手金の金額は報酬の〇%など、任意で設定し、入金確認後、制作業務を開始するなどを契約書に記載します。
[br num=”1″] 制作が完了しないと一銭も受け取れない、という状態と比較し、不安を感じずに制作に集中することができますし、クライアントもお金を支払っている分、当事者意識を持って接してくださるのでオススメです。

経費

制作案件では振込手数料、交通費、通信費など、多少なりとも経費が発生します。
少額だからいいや、と軽視するのではなく、費目ごとにどちらが負担するのかを決め、クライアントに請求する場合は請求方法も明確にしておきましょう。

キャンセル料

クライアントの都合で案件の途中でキャンセルとなる可能性はゼロではありません。

また、キャンセルと明示されていないものの、クライアントからの連絡が数週間、途絶えてしまうこともあります。
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原則として着手後のキャンセルは受け付けないとしつつも、上記のような場合を想定し、キャンセル料の取り扱いを定めておくことが大切です。
[br num=”1″] 「いかなる理由でも着手金は返金しない」、「進行具合により、キャンセル料が追加発生します」など、あらかじめクライアントと合意しておきます。また、製作者側の都合によるキャンセルが発生した際の取り扱いも決めましょう。

損害賠償


契約違反や情報漏えい等、何かしらのトラブルが発生した時に支払わなくてはいけない賠償金を明記しておきます。
支払うべき金額を明記していなかった場合、クライアントから不当な金額を請求される場合があります。


[br num=”1″] 基本的には「契約金額を上限とする」、もしくは「甲乙協議のうえで定める」と契約書に定め、一方的に請求されないようにしておきます。トラブルが発生しない限りは縁のない条項になりますが、万が一のために定めておくことをオススメします。

【ポイント3】納品後の制作物の取り扱い

瑕疵担保責任

瑕疵担保責任とは、納品後に制作者のミスで予期せぬ不具合が発生した場合、「○日以内なら無料で修正対応に応じる」ことを明記した項目です。
[br num=”1″] 一般的に90日以内が瑕疵担保期間として設定されることが多くなっています。
[br num=”1″] ただし、「初期的な欠陥や制作者側に原因がある不具合に限る」など、クライアント側ですでに何か手を入れてしまっている場合は該当しないということを明確するのも重要です。(万が一のために納品時点の制作物も手元に控えておきましょう)

著作権・権利帰属


制作物の検収後、クライアントから対価が支払われた時点で著作権が発生します。

[br num=”1″] 基本的には依頼主であるクライアントに著作権が移転する旨が定められますが、製作者側に著作権が残ることもあります。例えば、制作物で使用しているイラストや写真などを許可なく、二次利用しないように求める場合などです。製作者のアイデアやノウハウが流出しないよう、製作者の権利を守るための条項も契約書に含めておきましょう。

【ポイント4】その他

秘密保持・守秘義務


業務で知った情報は秘密情報として扱い、第三者への伝達、他の業務での使用などを禁止するとともに違反時の罰則を定義します。昨今はSNSなどの普及により、私たちの意図しないところで情報漏えいが発生する可能性が常に存在しています。
クライアントの秘密情報を取り扱っていることを意識し、むやみやたらに案件内容を口外しないようにしましょう。
[br num=”1″] 個人情報保護
グラフィックデザイナーである、あなた自身の情報が保護対象となります。
居住地、銀行口座、マイナンバーなど、制作案件を進めていくにあたり、様々な個人情報のやり取りが発生します。
このような情報を本人の許諾なく、赤の他人に口外しないよう、クライアントと契約書上で合意しておきましょう。
[br num=”1″] 不可抗力
天災や不慮の事故、疾病や家族の不幸などのやむを得ない場合で業務が遅延したり、期限内に完了できなかったり、途中で契約を辞めざるを得なくなった場合には、責任を問わず双方の話し合いにより今後の対応を決めること、などを契約書に明記しておくと安心です。

【参考】コンテンツ制作に関わる広告規制

実は契約書以外にも製作時に気をつけておくべきことがあります。
それは「景品表示法」や「薬事法」などの表記規制です。
[br num=”1″] 景品表示法は、嘘や大げさな広告の表記から消費者を守るための法律です。
クライアントとコンテンツ制作を進めていく際、意図せず、表記規制に違反した場合、消費者庁の是正措置の対象となります。
[br num=”1″] 薬事法は医薬品などの効能や安全性を守ることを目的とした法律です。
例えば、健康食品を取り扱うコンテンツ中に医薬品と誤認してしまうような表現があった場合、厚生労働省の是正措置の対象となります。
[br num=”1″] せっかく制作したコンテンツが無駄になる事態を避けるためにデザイナーも法律に関する正しい知識を持っておく必要があります。

まとめ

今回は『フリーランスのグラフィックデザイナーを守る契約書作成のポイント』というテーマでお届けしましたが、いかがでしょうか。

<契約書に記載すべきポイントのまとめ>

  • 業務内容
  • 料金や報酬の支払い
  • 納品後の制作物の取り扱い
  • その他

契約書に限らず、法律を知っておくことであなたの身を守りながら、クライアントと気持ちよく仕事をすることができます。
大事なクライアントとの約束だからこそ、口約束で終わらせるのではなく、お互い納得の行く契約書を締結し、案件を進めてくださいね。

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奈良 みつのり

1984年生まれ。自社の魅力をうまく伝えられない企業向けに販売サイトや販促物の執筆・添削など、集客や売上アップの支援を行う。『景品表示法・薬機法などの規制を守りながら、売れる文章を生み出す』ことが得意。
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