はじめに

ポートフォリオとは簡単に言えば、過去の作品集。

これを企業やクライアントに見せることで、デザイナーとしてのスキルやセンス、実績などを企業やクライアントにアピールします。デザイナーが採用されるかどうかはポートフォリオにかかっていると言っても過言ではなく、制作に熱が入り、時間がかかるのが一般的です。

どうせ時間をかけるなら、希望の就職・転職が叶うもの、仕事が取れやすいものにしたいですよね。
ポートフォリオ作りは一見難しい作業のように思えますが、見落としがちな当たり前のことを意識するだけで劇的に書きやすくなり、仕事もとれやすくなります。

今回は仕事の取れるポートフォリオを作るためのポイントについてお伝えします。

誰のためのポートフォリオ?

ポートフォリオとは自分をアピールするための作品集です。

熱い気持ちでアピールするのはとても良いことですが、自分のことを相手に知ってもらいたい、自分のこんなところを相手に評価してほしい、このような気持ちが先行しすぎると、どうしても頭の中が自分、自分となって、相手不在の思考に陥りやすくなります。

ポートフォリオは作品集といえど、アート作品ではありませんし、あくまで企業やクライアントが見るものです。自分の能力アピールに必死になりすぎて、大事なことを見失ってはいませんか?

担当者の嫌がるポートフォリオ

ポートフォリオで伝えるべき項目は、これだけネットが普及した今、検索すれば一発でわかってしまいます。しかし、重要なのはその中のどれを優先して伝えるかです。

「この企業ならばスピード重視だろうから作業時間をアピールポイントの中心にしよう」とか、「女性向けの商材との仕事が多い会社であればそれに関連しそうな作品を多めに入れよう」など、相手が求めるであろう情報を事前にリサーチしましょう。

相手のことを相手以上に知っているくらいになっているくらいになれば、面接でも役に立ちます。

ライバルだらけのこの業界。いい案件であればあるほど、多くの申し込みがあります。
自分が知って欲しいことではなく、相手が欲しい情報を提供する気遣いは好感度が上がり、印象点が高くつくはずです。

ポートフォリオのダメ出しは喜んで受け入れる!

「仕事を取る」ことが目的であれば、アートとしての価値以上にマーケティングに活用出来るかどうかが重視されます。

要はあなたの作品で売り上げが上がるのか?ということです。

マーケティングで最も重要なことの1つがターゲットを知ること。
ターゲットの心に寄り添うものが販売につながります。そこで、ポートフォリオを実際にターゲットに見てもらいましょう。

ここでのターゲットは2つです。

まずは担当者に近い視点を持った人。
グラフィックデザイナーとしてのスキルを正当に判断できる人です。

こういった知識に詳しい人が周りにいたら、ぜひポートフォリオのダメ出しをお願いしてみてください。新しい視点で見てもらうことで、自分では気がついていなかった自分の長所や打ち込みのポイントが見えてくるかもしれません。

もう1つのターゲットは応募するクライアントのターゲット。20代の女性をターゲットにしている企業や企画が多ければ、20代女性に、40代男性をターゲットにしているならば40代男性に、自身の作品を見てもらいましょう。

作品がアートとして際立っていても、ものすごいスキルが隠されていても、商材のターゲットが見向きもしないデザインだとマーケティングとして成り立ちません。クライアントにとっては無用の長物です。ぜひクライアントのターゲットの好みの作品をリサーチし、作品のチョイスに活用してください。

ポートフォリオの作製は自分一人で行うと、偏った内容になりがちです。

ダメ出しは傷つくこともありますが、自分を成長させてくれる貴重な意見です。
客観的な視点を勇気を持って取り入れ、自分の糧にしていきましょう。

実は簡単!差別化できるポートフォリオの作り方

ポートフォリオを作るにあたって、「ライバルとの違いを見せつけたい!」と思う方は多いと思います。意外性や好奇心をくすぐることは担当者の印象に残りやすいですし、絶対に押さえたいポイントです。

でも、ライバルも同じくらいのクオリティのものを提出してくるでしょうし、なかなか難しいと感じている方もいるでしょう。

そういった中で相手にはっきりと見せられる決定的な違いが1つあります。それは「あなたの在り方」です。同じような作品を作れるとしても、そこに至るまでのプロセスや込められた想いは異なります。採用する側はポートフォリオを通じて、一緒に仕事をする人を探しています。

どんなクライアントも、共感できる想いを持っている人に仕事を任せたいものです。ぜひ、ポートフォリオには作品への熱い気持ちやアイディアの原点、制作の過程で気をつけたことなど、あなたの人間性が伝わることも盛り込んでください。

好感が持たれるポートフォリオとは?

前述の通り、担当者はたくさんのポートフォリオを見なければなりません。
そんな中でwebであれ、紙であれ、相手に「見辛いな・・・」と思われてしまったら、「見辛いポートフォリオの人」というマイナスのイメージがついた上で評価が進む可能性があります。

一方で、知りたい情報が一目でわかる!と思ってもらえたなら、ストレスフリーで評価をしてもらえるため、好感度が高い状態で読み進めていってもらえるでしょう。

そのため、Webであれば、ただリンクや画像を貼るだけでなく、わざわざリンクをクリックしなくても作品の概要がわかるコメントをつけたり、相手が見たいであろうものを事前にリサーチし、その優先順位を意識して掲載するなど、相手が気持ち良く見終わるような構成にするべきです。単なる情報の羅列になってしまわないように注意しましょう。

また、紙であれば、ページ数、掲載している作品数は適切か、文字や用紙のサイズは見やすいものになっているか、リングファイルにするのか冊子にするのか、綴じ方はどうするのか、などを、担当者の立場に立って考えてみましょう。

家族や友人とのコミュニケーションから、ショッピング、エンターテインメントに至るまで何でもネットで済ますことに慣れてしまっているので、紙でクオリティの高いポートフォリオを作成することは苦戦を要するかもしれません。ぜひ時間をたっぷり使って取り組んでみてください。

流行を活用した自己アピール方法

就職活動がフォロワーの数で有利になったり、「インフルエンサー」と呼ばれる、SNS上で影響力を持つ個人に大手企業から宣伝の依頼がくるような時代です。

SNSは企業相手でも市民権を持つ自己アピールツールの1つとなっています。
SNSが得意な方はポートフォリオにこれを活かすのも手でしょう。

どうしてもデザインは抽象度の高いテーマなので、誰でも共通で理解するのは難しいところがあります。そういった中で、いいね!が100ついた、200ついた、と具体的な数字でアピールできるのはとても説得力があります。

もしこの方法を活用する場合は、前述のように、クライアントの欲しがるターゲットからのいいね!やコメントがたくさんあることも重要でしょう。そのためにもリサーチを徹底することを忘れないでください。

まとめ

いかがだったでしょうか?
仕事が取れるか取れないかがポートフォリオにかかっているかと思うと、不安になり、難しく考えてしまう方も多いと思います。

しかし、今日紹介したような「相手の気持ちになって考える」という点をきっちり意識できている人は意外と少ないものです。
企業はポートフォリオを通じて、ともに働く人材を探しています。作品の実力はもちろんですが、こういった気遣いができる人間性もとても重要です。そういった印象点は必ずやあなたの評価を上げるはずです。

ポートフォリオとはただの案件獲得ツールではなく、人間性を表すあなたの分身です。
作製時間がかかり、大変な作業ではありますが、担当者の気持ち、ターゲットの気持ちになって、押さえるべきポイントを把握し、売れっ子グラフィックデザイナーへのチャンスを手に入れてください。

ただの自己紹介に終わらず、「一緒に仕事をしたい」「この人には任せられる!」と思ってもらえるように、ポートフォリオを活用していきましょう!

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