はじめに
「コンペで勝てない」ということは、1円も売り上げが立たないだけでなく、コンペに費やした時間や人件費は水の泡となる。フリーランスのデザイナーや個人事務所などにとっては死活問題となることもある。
デザイナーが生み出した様々なデザイン案はなかったこととなってしまいます。
そうならないためにも、コンペで勝てるプレゼンテーションの準備はどういったものかをお伝えします。
それを踏まえ、企画書を制作します。
そもそも、プレゼンテーションとは?
意図をもって相手のアクションを促すための手段です。相手にただ情報を伝えるだけになってしまっていない事が重要です。
クライアントは「こうしたい」と分かっている場合と分かっていない場合があるので、そこを探し「あなたが欲しいのコレですよね」っと提示することが有効です。
お任せのレストランや、美容院、洋服屋などと一緒で「こんなのが欲しかった」が一番嬉しいわけです。
コンペで勝てる! プレゼンテーションの作り方とは?
【手順1】ターゲットの整理
まずはターゲットの整理をきちんと行います。
お客様の「なぜそれを作りたい(リニューアルしたい)のか?」の「なぜ」をしっかり考え、その課題を解決する方法を提案することが大切です。
そしてターゲットとなる人物像を、収入や居住地区、ライフスタイル、ファッションなどをイメージしてペルソナを設定し、その人がグッとくるように構築していきます。
【手順2】「課題」を見つけ企画内容を考える
内容を整理していく中で、それまで見えていなかった課題が見えてくることがあります。
実際に商品を購入したり、店舗に足を運ぶなど、顧客としてお客様の商品やサービスと向き合うことで、新たな課題やお客様に見えてないメリットが隠れていることがあります。
そこを探し当て、提案するといっそうプレゼンでお客様にインパクトを与えます。
【手順3】プレゼン資料作成
ここから、実際にプレゼン資料を作っていきます。
1)伝えたい事だけシンプルに
人の脳は視覚からの情報を理解するのに長い時間がかかると「分かりにくい」と感じるため、ダラダラ作文しても読んでくれません。
実際に読み手として企画書を読んだとき、筋道が強引だったりダラダラ長く回りくどいものは、結局何だったのか印象に残らなくなります。
2)納得できる筋道をたてて起承転結で表現
現状の問題点 → 理由 → 結論(解決案) ・データ → 分析 → 結論(解決案) ・社会背景 → 他社事例 → 戦略提起 → 結論(解決案)
など論理だてすることで納得してもらえます。
データを入れる事でより説得力が増します。
3)相手の知識量に合わせてわかりやすく
若者にプレゼンするのと年配者にするのは全く違う資料作りになってきます。
相手にもよりますが、クライアントは予想以上にデザインに対する知識が低い場合があります。
有名事例や写真でそもそもの説明を丁寧にしないとデザインの意図や良さは伝わらないことがあります。
決済者の年代などにより、鶴のひと声みたいなもので決まったり。関東、関西など地域に よって、でシンプルでオシャレなものが好みであったり、賑やかで詰まったものを好んだり、年代や地域によっても傾向がるようです。
プレゼンに勝つためには決裁者が誰かを分かっておくことも大切になってきます。
【手順4】企画書のデザインの重要性チェック
企画書はデザインも大切です。特にデザインを提案する企画書なのにそれ自体のデザイン が “いまいち” だと、ここに任せてよいのか、お客様に信用してもらえません。
最低でも使う色やラインの太さ、フォントの種類やサイズ、など気を使った作りにする事が大切です。 デザインコンペの、企画書を作るなら最低限のデザインスキルは持っておきましょう。
【手順5】企画に合ったデザインの提案
方向性が決まり、企画書の大枠が決まったらデザイン制作していきます。デザイナー1人で制作の場合もありますが、複数でチームを組んで制作する場合もあります。
前提として企画、デザインの趣旨を理論的に理解し共有する事。バックグラウンドやマーケット、購買行動についても理解する。
○○で△△だからこういうデザインでいきます。のように、そこの理解度が高ければ、強調したいところやデザイン処理のテイストなど魅せるポイントをデザイナーが作りやすくなります。
資料を用意して作業者でイメージの共有度を高くしていくことも重要です。
また、プレゼン映えするようなインパクトのあるビジュアルを作る事も一つですが、いざ決まった時に再現性が低くては自らの首をしめることにもなりかねません。
バランスを見極めて作るようにします。クライアントが企画書をパラパラ見た時に、「ここならやってくれそう!」と感じてもらえるよう見栄えにも気を配ります。
【手順6 予行練習】
いざ、プレゼンテーションの予行練習です。
プレゼン上手になるには、とにかく「練習」、「リハーサル」を入念におこなうことです。
練習を始める前に、プレゼンで言う内容を書き留めた「プレゼンメモ」を作りましょう。 メモには、「話すキーワード」だけを書き、キーワードを見れば、話すべき内容がすぐに頭に浮かぶくらい、練習をします。
リハーサルを行うときには、「ビデオ撮影」や「第三者からのフィードバック」を取り入れるようにしましょう。
「自分自身の課題」に気づけたり「聴き手の目線でアドバイス」を貰うことができます。
次に聴き手から「質問されそうな内容」を考え、その答えを事前に準備しておくようにします。
想定質問を考えておくと、自信を持って「質疑応答」の時間に臨めたり、誰からも質問がでなかったときに、対処ができます。
まとめ
コンペも色々あり、新たな業者選定の意味合いが強い場合や、随意契約の対策に表面的なプレゼンもあります。
コンペによっては「出来レースではないか?」ということも多々あります。
一見、勝ち目のないようなコンペでも、提案内容がよければ勝つことができます。
企画は論理的に考え、クライアントの見えない課題を見つけ出し、相手の潜在意識に的を射るプレゼンの練習をしましょう。
プレゼンテーションとは、相手に情報を伝え、アクションを促す技術です。
実は私たちは日常生活においても、知らず知らずにプレゼンテーションを行っていることになります。
「問題点→原因→解決案→決断における効果」という流れは、例えば、病院で自分の症状を説明するのも、飲食店で食べたいものを注文するも、毎日がプレゼンテーションの連続でそれが練習にもつながるります。
日頃からアンテナを張り、ぜひ、勝てるプレゼン実践してみてください。