はじめに
「グラフィックデザイナーになったらどれぐらい売れるの?」
「私の年収って高いの?低いの?」
「フリーランスのグラフィックデザイナーとして独立を考えているんだけど、年収はどうなるの?」
今回の記事では会社員、フリーランス双方のお金事情をご紹介しながら、上記のような疑問にお答えします。
グラフィックデザイナーを目指している方はもちろん、今は会社員だけど独立を目指していると言う方もぜひお読みください。
グラフィックデザイナーの平均年収(会社員)
まずは会社員の平均年収を「年齢」、「企業規模」という切り口で見ていきます。
年齢
求人情報・転職サイトDODA(デューダ)が独自にまとめた「平均年収ランキング2017」によると、会社員として働いているグラフィックデザイナーの平均年収は332万円だそうです。
他にも20代の平均は288万円、40代は386万円。
そして、男性は359万円、女性は314万円、というようなデータも掲載されています。
同調査によると、クリエイティブ系職種の平均年収が380万円となっているので、グラフィックデザイナーの年収は決して高いとは言えないのが現実です。
また、クリエイティブ系の職種全体で見られる傾向として、他職種のように年齢を重ねていけば自動的に年収が上がっていくわけではないことが見て取れます。(平均年収も高い水準ではありません)
企業規模(従業者規模)
厚生労働省が公表している「賃金構造基本統計調査(平成28年)」を元に企業規模(社員数)別の平均年収を見ていきます。
なお、グラフィックデザイナー単独での調査結果がないため、デザイナーの平均年収を参考にしています。
10人~99人 417万4000円
100人~999人 407万9300円
1000人以上 565万4800円
上記のようになっています。
「10~99人」と「100~999人」の企業間ではほとんど差が見られませんが、「1,000人以上」の規模になると大きく差が開きます。
これはデザイナーに限らず、大企業の給与テーブルが総じて高いこと、そして大手広告代理店や出版社などに所属する一部のデザイナーが平均値を引き上げていることが要因と考えられます。
この結果から、会社員として年収を上げていくためには自身の実力を高め、大企業で働くことが一番の近道ということが言えます。
グラフィックデザイナーの平均年収(独立・フリーランス)
次に独立・フリーランスの平均年収を見ていきます。
グラフィックデザイナーまたはデザイナーに特化した調査がないため、フリーランス協会が2018年に発表した「フリーランス白書2018」を参考にします。
同白書によると、フリーランスの年収(月の平均勤務時間が140時間以上)のボリュームゾーンは300~500万円であり、会社員と大差ない、という調査結果が出ています。
会社員の事例で見たように、グラフィックデザイナーの報酬がずば抜けて高いわけではないので、フリーランスのグラフィックデザイナーの年収もこのあたりに落ち着くと仮定できます。
更にフリーランスは自分の年収の中から税金や保険料などを支払わなければいけないため、売れないグラフィックデザイナーは会社員時代よりも手元に残るお金がマイナスになってしまう可能性があるのです。
もちろん、年収アップだけが目的ではなく、会社に縛られない自由な働き方や人脈、経験の拡がりを求め、独立を志した方がほとんどかと思います。
しかし、優秀なデザイナーとして様々なお客様から引く手数多な存在になれば、会社員時代の数倍の年収を得ることができるのも事実です。
せっかく、ご自身の理想を実現するために独立を志したのですから、売れるグラフィックデザイナーを目指してみませんか?
売れるグラフィックデザイナーになるための3つの心構え
ここからは既に独立されている方向けに売れるグラフィックデザイナーになるために必要な3つの心構えをお伝えします。
これらを意識しながら日々行動できれば、年収アップは間違いありません。
1. 常にデザインのプロとして振る舞う
グラフィックデザイナーの仕事をしていくにあたり、経営者や年上のクライアントと接することがよく発生します。
この時のあなたの振る舞い方が売れるかどうかの分かれ道となります。
相手の経歴に怯み、クライアントの要望を額面通りに受け取った場合、かなりの確率であなたは「下請け業者」とみなされてしまいます。
結果、報酬額は安くなり、クライアントの記憶にも残らないので、単発の案件で終了になる可能性が高いです。
一方、クライアントの要望を聞きつつも、常に前提を疑い最適な解決策を提言する、クライアントに間違いがあればそれを指摘することを厭わないなど、デザインのプロとして接した場合、あなたは「パートナー」としてみなされるようになります。
あなたの自信に満ちた振る舞いを見ることで相手は安心し、結果的に請求できる報酬金額も上がります。
いくらクライアントの経歴が凄かったとしても、デザインの世界ではあなたの経験が上のはずです。
言葉を選ばずに言えば、クライアントはデザインに関しては素人です。
だからこそ、クライアントの話をそのまま受け入れるのではなく、プロとしてグラフィックデザイナーとしての専門性をアピールするようにしましょう。そうすることでクライアントからの信頼を獲得することができ、継続的なお付き合いに発展させることができます。
2. グラフィックデザイナーと名乗らない
意外に思われる方もいるかもしれませんが、これは売れるグラフィックデザイナーになるためには非常に大切な考え方です。
一説によると、日本には10万人を超えるグラフィックデザイナーがいるそうです。
デザインソフトやスマホアプリの発達により、誰でも気軽にデザインできる時代になっており、クラウドソーシングのサイトにはグラフィックデザイナーと名乗る人々で溢れかえっています。
そんな中、あなたがグラフィックデザイナーと名乗ったらどうなるでしょうか?
同じ肩書きのライバルたちの中に埋もれてしまい、未来のクライアントに見つけてもらうことが難しくなります。
運良く見つけてもらえたとしても、あなたの経験やデザインスキルは考慮されず、他のグラフィックデザイナーと価格面の安さだけで比べられてしまう恐れがあります。
このようにグラフィックデザイナーと名乗ることは自らライバルを増やし、自分の魅力を埋もれさせてしまう落とし穴なのです。
売れるグラフィックデザイナーになるためには、ライバルの中に埋もれない、あなたならではの肩書きを名乗る必要があります。
突飛なものを考える必要はありませんが、将来のクライアントにあなたの価値を正しく伝えるにはどうすれば良いか?という視点を常に持つようにしてくださいね。
3. デザインスキル以外にも目を向ける
グラフィックデザイナーとして活躍していくにあたり、デザインに関する知識・スキルは必須です。
ただし、それだけでは売れるグラフィックデザイナーになることは難しいです。
売れるグラフィックデザイナーになるためにはあなたが人として魅力的である必要があります。
スキルや制作実績など、目に見えるものだけではなく、内面、つまり、目に見えないところの魅力こそ、年収アップには不可欠なのです。
以前、『優秀なグラフィックデザイナーの特徴とは? デキるグラフィックデザイナーの5つの特徴』という記事の中で以下の特徴をあげています。
詳しくは割愛しますが、単に依頼されたデザインの制作だけを行うのではなく、クライアントに寄り添い、新しいアイデアや気付き、やる気を起こさせるような関わり方をしていく必要があります。
1. 自分では気づかないことを気づかせてくれる
2. 頭の中を一通り整理してくれる
3. やる気を起こさせてくれる
4. イメージ通り(以上)に仕上げてくれる
5. 成果を出させてくれる
一朝一夕で身につくものではありませんが、すべては相手の話を聞くことから始まります。
デザインに直接関係のないテーマだからといって切り捨てるのではなく、クライアントのお話に真摯に向き合っていきましょう。
クライアントはそのようなあなたのスタンスには魅了され、単なるデザイナーと発注者を超えた長期的な関係を築くことができます。
まとめ
今回は「グラフィックデザイナーの年収」をテーマにお届けしましたが、いかがでしたか?
グラフィックデザイナーの年収は他の職業と比べて特段高いわけでも低いわけでもありません。
また、独立すれば必ず年収が上がるという保証はなく、会社員と同等、または会社員時代よりも手元に残る金額が少なくなってしまう可能性すらあるのが現実です。
せっかく独立したのですから、継続的にグラフィックデザイナーとして理想の生活を送れるようになるために日頃から以下の3点を意識してくださいね。きっと年収アップに繋がりますよ。
1.常にデザインのプロとして振る舞う
2.グラフィックデザイナーと名乗らない
3.デザインスキル以外にも目を向ける
今回もお読みいただき、ありがとうございました。
より具体的な仕事の取り方を知りたい方は「グラフィックデザイナーの仕事の取り方と営業の仕方の3つのポイントとは?」をご覧ください。